有限会社あゆむ・くらし工房--板倉の家--

住む人の健康とエコロジーを考えた家づくり「板倉構法の家」

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お客様からの手紙

板倉の家に住んで...

昨年、板倉の家を建てさせて頂いたお客様からE-メールを頂きました。「多くの皆さんに板倉の家の素晴らしさを伝えてください。」とおっしゃって下さいましたのでご紹介させて頂きます。こちらのお客様とは、お家が完成した後も食事をしたりと家族づきあいさせて頂いていますので、お家の変化や暮らしの変化をこまめに教えてくださいます。

先日、世界各国の家ばかり集めた写真集を見て、この世の中には本当にたくさんの家があると驚いた。そして我が家を訪れる友人たちの必ず口にする「どうしてこの家にしたの?」という、そんな問いかけの答えを、この家に住んで一年が過ぎた今、改めて考えてみることにした。
この家は不思議だ。まだ一年というのにこの家は、何年も前から住んでいるような、そんな気持ちにさせる。そんな安心感に包まれている。また普通は時が経つと、どんな新品でも、どんどん薄汚れていくのに、この家の木の壁は、去年よりもあめ色がかり綺麗だ。陽の光が射すと黄金色に輝く。思えば見学した10年経った木の家を見て、その美しさに感動し、壁紙を張るのをやめた。木は時が経てば経つほど美しくなる。
夏の暑い日、家の中は木陰のように涼しい。べとつく梅雨の時期にも、窓さえ閉めれば家の中はサラサラ、湿気とは無縁だ。冬将軍到来の雪真只中、間仕切りのない吹き抜けの空間なのに、薪ストーブ一つで家中どこもほかほか暖かい。そのうえ嬉しいことに私のひどい花粉症が、今年はなんの症状もでなかった。4月に夜ぐっすり眠れるなんて何年ぶりだっただろう。そんな不思議でいっぱいの一年だった。
そしてこれほど四季の移り変わりや、太陽や風や雨や雪等の自然を、毎日感じ取ったのは初めてだった。これまで住んでいたスイッチを押すだけの部屋の中では、決して感じ取れない様々なものを感じとることができた。なにせ我が家はクーラーもない。主な暖房は薪ストーブ。暑くなれば家の周りの通気口を開け、窓を開け、琵琶湖からの風を感じる。寒くなれば薪に火をつける。機械ではなく、住んでいる私たち自身が動く。それはある意味大変で、不便なことかもしれない。けれど、このおかげで自然と共生している家、私たち家族と一緒に生きている家なんだ!そう心から思うことができた。
大変かもしれない。時代に逆行しているかもしれない。それは、スイッチ一つの便利さからは、予想することさえ無理だろう。なのに、私たち家族はそれを選んだ。便利や簡単という歌い文句ではなく、流行に左右されない、本来の日本人が培ってきた健康で安全な自然のものに行き着いた。人間本位のわがままで、人工的なものに頼り、自然に逆らい無理をしている家。そんな家に暮らすことの不自然さを選ぶことはなかった。
手間のかかることは大変なことだろうか?今私は2歳と7ヶ月の娘の子育て中だ。もちろん毎日手間がかかって大変だ。けれど、スイッチ一つで子育ては出来ないし、例え出来たとしても、それで今ほど幸せを感じることが出来るとは到底思えない。手間がかかるからこそ、自分が手をかけたからこそ、何にも変えがたい喜びと充実感がある。家も同じだ。私たちはそれでこの選択をし、それは決して間違ってはいなかったと、強く実感している。
無垢の杉の木の床は、生まれたての赤ちゃんの肌の様にとても優しい。夏の暑い日にはひんやりと冷たく、冬の凍えるような日にもほんのり暖かい。そんな床に頬擦りしながら、言葉を覚えたての娘は「ちいねぇ。」(気持ち良いこと)と、これ以上ないくらい嬉しそうに笑ってくれる。それがすべての答えだと、そう思っている。